年上同期の独占愛~ずっと側に
翌日の土曜日、地鎮祭の詳細を決めたいと、両親から言われ、
その相談をしようと一応、亮にメッセージを送る。すると今日は仕事で会社に出てるから、夕方そっちに行くと返信があった。しかし、どうしても午前中に返事がほしいといわれているとせっつかれ、今度は携帯に電話するが、出ない。しかたないので職場に電話すると、今日は出社の予定がない、と言われてしまった。
ふぅー、またか。もう嫌だ。
私がうなだれていると、母が聞いてきた。
「どうした?何かあった?」
「亮が、仕事だって言ってたんだけど、連絡がつかなくて・・・職場に電話してみたんだけど、今日は出社しないって」
「遊びに行っちゃったのかしらね」
「・・・亮ね、付き合ってる女の人がいるの」
「え?浮気してるってこと?」
「浮気なんだか、本気なんだか。同じアパートの人だよ」
「どういうこと?なんで萌々はそんなことまで知ってるの?」
「色々調べたもん。
・・・きっかけは地震のとき。部屋にいなかった。見たこともない服着て出てきたけど、明らかに彼女の部屋にいましたって感じだった」
「・・・・」
母が黙ってしまったので、ちらりと顔を見ると、泣きそうな顔をしている。
はあー、泣きたいのはこっちだよ、と若干イライラしながら私も黙る。
「どうするの?」
しばらくして母が聞いてきた。
「浮気してるのがわかっててこのまま結婚することはできないよ。」
「そりゃそうだよね。」
「ただね、亮が認めないのよ。こっちは名前も職場も知ってるっていうのに、ちょっと会話したことがあるだけだって言い張るの。その理由がよくわからない。本当に私と結婚したいのか、彼女の存在を隠して、要は自分に非がない形で私と別れたいからなのか・・・どうしよう。」
「よく話し合うしか、ないわよね」
母も何て言っていいのかわからいのだろう。そういうと、キッチンの方へ行ってしまった。
夜になり、ゴルフから帰ってきた父にも亮の話をする。母に話してしまった以上、父に話さないわけにはいかないだろう。
話を聞き終わっても、父は何も言わない・・・。
「こんなことになってごめんなさい」
何と言っていいのかわからず、謝るしか思いつかない。
「どうするんだ。」
「浮気、許せないんだけど、だけど、家のこともあるし、結婚式場とか、色々あるから、今回の浮気だけはがまんして結婚しようか、とも、悩んでる。
でも、私も知らなかったんだけど、前の結婚も、浮気が原因だったんだって。だから、この先もきっと繰り返すのかな、とか・・・」
最後のほうは涙がでてきて言葉が続かない。