年上同期の独占愛~ずっと側に
「なんの記念?」
「買った記念」
「いつ、どこで買ったの?」
「1カ月くらい前、横浜で」
「横浜・・・1カ月前くらいに、誰と横浜行ったの?」
「1人で遊びに」
もう、いい加減にしてほしい。どこまで嘘をつくのだろう。
「これ素敵だね。ちょうだい」
「ふざけんな!返せ!!」
ものすごい剣幕で私の方へ向ってきた。
「なんで?これ、私にプレゼントして。大事にするから」
「嫌だ。無理。お前にはあげない。返せ」
「そんなに大事?誰にもらったの?いいじゃん、自分で買ったんでしょ。私にプレゼントして」
「くそっ、返せ」
私につかみかかってこようとするので、私も慌てて後ろにさがり距離をとる。しかしすぐにつかまり握っている手のひらを思いっきり開こうとする。
「痛い、やめて!離して」
私が叫ぶと、更に興奮した様子で
「お前がやめろ、返せ」
と私を抱えたまま取り返そうと必死だ。
そこへ、お義父さんがやってきて
「亮、何してるんだ。やめろ!萌々ちゃんに何てことしてるんだ」
お義父さんに羽交い絞めされた亮は益々興奮した様子で私に向かい
「てめぇ、ふざけんな。返せ!」
と叫び続けている。
そんな亮を見て、私は急速に冷めてきた。今まで王子様のように優しくて、一緒にいるだけで楽しくて癒されて。
そんな亮とは別人のように、私に暴言を吐き続けている。
もうこの人とは終わりだと悟り、私はネックレスをお義父さんに渡す。
「萌々ちゃん、大丈夫か?何ともない?」
お義父さんは不審げに私からネックレスを受け取り、亮を睨みつけながら私を気遣ってくれた。私の父も言っていたが本当に気持ちが優しく、とてもいい人だ。こんな優しいお義父さんのところに嫁ぐのを楽しみにしていた。
「これ、大事な彼女から亮へのプレゼントですって。お義父さんも根岸さんのこと、ご存じでしたか?」
「萌々ちゃん、何のことだよ。何も聞いてない。どうしたんだ一体」
「じゃあ、あとは亮から聞いてください。本当のこと言うかどうかわかりませんけど。」
そう告げて、とりあえず私はそこから逃げ出した。
このままだと、亮は自分の都合の良いように私を悪く言うのかもしれない。