年上同期の独占愛~ずっと側に
そんな中、亜都子からのお誘いはうれしかった。久しぶりに感じるワクワク感に、できるだけ早く行こうと半ば強引にスケジュールを組んでしまった。亜都子はウチに泊まれば、と言ってくれたが、USJのチケットと宿泊セットになっているパックがあったので、そこを予約した。亜都子の分のチケットは別で購入しよう。

2週間後の金曜日午後半休を取り、月曜日は一日有休にする。亜都子に連絡すると、じゃあ、金曜日の夜、林君と矢島君の4人で飲もう、と言ってくれた。

木曜日、打ち合わせが長引き、金曜日までに仕上げたい資料作成が間に合わないため、残業をしていると、原さんが声をかけてきた。

「野崎さん、明日午後半休ですよね。キリのいいところで引継ぐから、声かけて」

まただ。原さんはすぐにそうやって気遣ってくれる。いつまでも原さんにフォローしてもらうわけにはいかない。自分でやり遂げないと。

「ありがとうございます。すみませんが今日ちょっと遅くまでやらせてもらって、明日の午前中にはご説明できると思います。会議、火曜日ですよね。修正ない状態まで持っていきます。明日の午前中合わせる時間取らせてもらってるのでよろしくお願いします」

「うん。わかりました。じゃあ、明日ね。お先に」

翌日、原さんに資料を見せると、よくできてる、と褒めてもらえた。

「緒方マネージャーと相談だけど、この資料があれば火曜日わざわざ打ち合わせの場で説明しなくても大丈夫かな。商品開発は橋本くんで十分だと思うから、今時間良ければ呼んじゃおうか」

原さんが橋本さんに内線すると、5分と待たず橋本さんがやってきた。

「原さん、野崎さん、ありがとうございます。今日資料見せていただければ、来週すぐ動けるので助かります」

商品開発は常に人が足りない。試験人員が常に不足している。配置人員の確保ができないと、作業分担ができないのだ。
私が作成した案でいいじゃないか、ということになり、ホッとして午後からの半休に備えることができる。

「野崎さん、お疲れ様。午後からお休みだよね。何か気になることがあれば引き継ぐから言ってね」

原さんが声をかけてくれると、橋本さんが聞いてきた。

「どこか行くんですか?」

「はい。同期の亜都子、わかりますか?ご主人が橋本さんと一緒の研究室だったって聞きました。」

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