年上同期の独占愛~ずっと側に
「うん。ありがとう。お好み焼き行ってみたかったんだ。」

「萌々香さん、こんにちは。」

「尾崎さん、今日はありがとうございます。」

「今度来るときはホテルじゃなくて、是非ウチに泊まって。亜都子も喜ぶから」

今回も泊まってよ、と亜都子は散々言ってくれたが、夜遅くなるのはわかっていたし、寝るだけにお邪魔するのは申し訳なさすぎる・・・。今度ゆっくり遊びに来た時にお邪魔しようと思う。

大阪で有名なお好み屋さんらしく、昼前なのにかなり賑わっていた。亜都子と尾崎さんが手分けして二人で焼いてくれる。

「萌々香さん、橋本と同じ職場なんだってね。あいつ、ちゃんとやってますか?」

「もちろんです。いつもお世話になってます。」

「アイツが一般企業に就職するなんて、かなりびっくりしたんだよね。俺より研究肌だったから。ちゃんとコミュニケーションとれてるのかな」

「いつも冷静で的確で本当に頼りになります。最初は近寄りがたい感じしたけど、亜都子が知り合いだって言ってたし、私とは結構話してくれます」

「よろしく言っておいて。こっち来ることがあれば連絡してって」

「はい、伝えておきます」

お好み焼きを食べ終わったあと、3人でカフェに行ってコーヒーを飲み、新大阪駅まで送ってくれた。
尾崎さんから二つ紙袋を渡されて

「これ。こっちは新幹線の中で萌々香さんのおやつとご両親に。もう一つは橋本に。よろしく伝えて」

「はい。お気遣いありがとうございます。亜都子もありがとね。すっごい楽しかった」

「うん。何かあったら連絡して。とりあえず来月東京出張あるから、またその時に」

「そうだね。飲み会もやるって言ってたもんね。じゃあ、またね」

新幹線が動き出すまでホームで見送ってくれた。両親や橋本さんのお土産まで持たせてくれるような旦那様で亜都子は幸せものだな、私もあんな人と結婚したいな、と思えた。急いで亮と結婚を決めなくて本当によかったと思えた。

席に落ち着いて携帯を開くと、林君からメールが来ていた。
『昨日はごめん、同期で集まるときに、また東京で。』と書かれていた。

なんて返事を書こうか、と考えているうちにウトウトと寝てしまい、気が付いたら東京だった。
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