年上同期の独占愛~ずっと側に
「今度橋本さんが打ち合わせ終わりとか一緒にランチどうですか?って言ってました。来週あたり行けたらいいですね。」

「別に打ち合わせ終わりじゃなくたって、いつでも行ってきていいよ。」

「打ち合わせ終わりが行きやすいじゃないですが、3人そろうことってあまりなくないですか?」

「3人じゃなくていいでしょ。僕はいいから2人で行っておいで」

「2人だったら別に私もいいです。橋本さんはたぶんさっき渡したお土産に気を使ってるだけだし、原さんとは仕事の話したくてしょうがないみたいなので、行くなら3人で行きましょうね」

橋本さんと2人なんて想像すらできない。仕事の延長で、ほんの少しだけ挨拶程度の雑談はするけど、食事をしながら会話をするなんて、絶対に無理だ。橋本さんだって間がもたないだろう。尾崎さんから渡された手土産だけを渡すのは忍びなくて、一緒に部門の方にも配れるお菓子を渡したのだが、逆に恐縮させてしまったのかもしれない。

そんなことを考えながら、先週末に明日の会議用に作成しておいた資料に橋本さんから追加情報を頼まれていた。資料修正をしなきゃ、と思い、パソコンに向かうと、同期会のお知らせのメールが来ていることに気が付いた。

幹事は、小野君か・・・。
小野君はほとんどの同期会で幹事をやってくれていて、面倒見がよい。多少のわがままも全部聞いてくれてつい甘えてしまう。
ちょうど亜都子の東京出張の日程に合わせてくれていて、さすが小野君は手回しがいい。これだけ早めに案内が来れば、ほとんどの同期が参加できるだろう。今回の出張で亜都子とゆっくり話せるかどうかわからないから、出席で出しておこう。

最初は地方へ転勤してしまった同期以外はほとんど参加していた同期会だが、なかなか全員揃うことがなくなってきた。既に結婚している同期もいるため、家の用事で来られない人もいる。だから余計に用事がない時はできるだけ行こうと思う。今回は林君もさすがに不参加だろうし・・・。

ところが、職場の飲み会と全く日程が被ってしまい、参加できなくなってしまった。
プロジェクトに納品してくれていたベンダの1社の契約が終わり、お別れ会を開催することになったのだ。
全部門が関係するわけではないのだが、開発部門経由でぜひ統括も、と言われ、緒方マネージャーと原さんと私の三人が参加することになっていた。
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