年上同期の独占愛~ずっと側に
同期会・・・残念だけど、仕方がない。金曜日の開催なので、土曜日亜都子は東京の実家に泊まるだろう。土曜か日曜日にランチができるか聞いてみよう。

飲み会日、原さんに、何時ころ終わりますかね~?と何気なく聞くと

「用事があるの?だったら最初の乾杯だけして、別件に行っちゃっていいよ。」

「そういう訳に行きませんよ~・・。ベンダさんにも人事遅らせてもらったり、色々お世話になりました。ご挨拶くらいしないと」

すると、緒方マネージャーまでが優しく言ってくれた。

「挨拶なんていいよ~、適当にやっておくからさ。
っていうか、野崎さんが早めに帰れば、俺たちも二次会断りやすいからさ。
後は橋本に任せればいいから」

「なんだか橋本さんに悪いです」

「いいって。お互い様なんだから」

「じゃあ、最初の一時間で、後は適当に帰らせてもらいますね。すみません」

会場についてすぐに、橋本さんに1時間くらいで退出することを伝えておくと、横に座っていた女性が残念そうに言ってきた。

「野崎さんとご一緒するの初めてだから楽しみにしてたのに、残念です」

「すみません。ちょっと用事が重なっちゃって。また次の機会に是非お願いします」

そう声をかけて原さんたちのところに戻る。

そういえば、橋本さんの隣にいる女性、名前知らないな。隣にいる原さんに聞いてみると、山元さんだと、と教えてくれた。
開発部門にいるからには相当なエリートなはずだが、見た目もかなりの美人だ。雰囲気も柔らかいし、話しやすい。年齢は・・私より少し下なのかな・・。社交辞令で終わることなく、ぜひ話してみたいな、と思った。

1時間ほどお世話になった方々にお酌をして、できる限り挨拶を終えると、緒方さんと原さんにこそっと耳打ちして、お店を後にした。
幸い同期会をやっているお店はここから近い。急げば10分くらいでつくだろうか。
遅れていくことは小野君と亜都子には連絡済みだが、念のため今から行く、と亜都子にメッセージを送っておく。

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