年上同期の独占愛~ずっと側に
「飲んでたやつは飲んでたんじゃな?俺は3時くらいから寝たり起きたりしてた。三上の嫁さん、希美さんのドレス、きれいだったよ。」

スマホで撮った写真を見せてくれた。Aラインのすっきりしたドレスは希美さんに似合っていてとても素敵だった。

「でも、萌々はもっとフワッとしたドレスも似合うかもね。今度式場見に行った時、色々着てみなよ」

亮はいつも、私のものを選ぶ時も楽しそうに、これ似合う、あっちのほうが良い、と一緒に選んでくれる。亮こそ背も高くてスタイルがいいので、タキシードでも和装でもどちらも似合いそうだ。元奥さんの時は確か和装はなかったと思う。

こんなことばかり考えていると亮が知ったらどう思うだろう。面倒な女だと愛想をつかされるだろうか。いつも優しく私を第一に考えてくれる亮のことを信じてはいる。しかし、過去のことがどうしても気になってしまう。

「ウチ寄ってく?」

亮が誘ってくれるが、さすがにまだ月曜日だ。週末の三上さんの結婚式の話などもう少し聞いてみたいが、さすがに今日は疲れた。

「今日は帰ろうかな」

「じゃあ、送ってく」

「途中まででいいよ」

「いいのー。危ないだろ」

歩きながら私の肩をキューっと引き寄せる。私の顔を覗き込んで素早く唇にチュっとする。
亮はスキンシップが多いほうだ。手は必ず繋ぐし、家にいてもピッタリくっついていることが多い。今は随分慣れたが最初は恥ずかしかった。でも、今はくっついていないと物足りなくなってしまっている。

「じゃあな、早く寝ろよ」

家の前まで来ると私の頭を撫でてくれる。

「今週末、朝からでいいんだよな?早めに来るから」

「うん。待ってるね」

亮は、私の自宅から徒歩15分程度の距離にアパートを借りて住んでいる。
常に私に時間を合わせてくれるし、何でもやってくれる亮は、私を存分に甘やかしてくれる。最初こそ、元奥さんの存在が気になってしまってしまい不安になったこともあったけど、今は優しい亮にどっぷりはまってしまっている。どんなに仕事が大変でも亮の優しさに触れると頑張ろうと思える毎日だ。
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