年上同期の独占愛~ずっと側に
「萌々ちゃん、会ってくれてありがとう。本当にごめん。もう傷つけるようなことしないから許してほしい。」

「わかったよ。もういいから。私のほうこそ、意固地になって上げ足取って拗ねてごめんね。」

「これからも同期会来てくれる?」

「もちろん、行くよ。小野君こそ、いつも幹事大変なのにありがとね。」

「連休は?みんなでバーベキューしようって言ってるんだけど、萌々ちゃんも来るよね?」

「あー、連休は・・」

用事があると言おうとしたら、林君が口を挟んできた。

「小野。もうその辺でいいだろ。俺だってまだ萌々ちゃんと全然話せてないんだ。お前ばっかり先走るなよ。」

「あー、ごめん。そうだよね。こっち戻ってきてから萌々ちゃんと会うの初めてなんだろ?」

3人で席につくと、かなり気まずい。いつも小野君と会うときは同期会が多くきまって大人数だ。少数で会うこともあるが、その時は必ず亜都子がいた。3人でご飯なんて初めてだ。しばらくは小野君の近況や仕事の話と林君の大阪での仕事と今の職場の違いなどの話で盛り上がった。そして二人とも私が参加している工場のプロジェクトもとても興味を示していた。何人か知り合いもいるらしいが、私は名前程度しか知らない人ばかりだ。

「萌々ちゃん、大変でしょう。同年代の人少ないよね。」

「そうだねー。林君が今いる商品開発部にいた橋本さんが同期かな。あと一つ下の山元さんって女性がいるよ」

「橋本さんね。俺は名前しかしらないけど、同期なんだよね」

「あっちゃんと仲良かったよね。あっちゃんと話しているときに何度か一緒になったことがあって、挨拶程度かな。」

3人で橋本さんの話をしていると、噂をすれば・・橋本さんが職場の人たち数名とお店に入ってきた。

「あ、橋本さんだ」

私が呟くと同時に、橋本さん御一行も同時に私に気づいた。

「お疲れ様です。」

「こんばんはー。」

口々に挨拶しながら、林君と小野君も立ち上がり橋本さんに挨拶をしている。同期といえ、院卒で既に主任の役職のため、少し畏まった話し方になっている。私も会釈をしてから席に座り、3人でまた話し出した。

「橋本さん、久しぶりだな。商品概要の資料見てても、橋本さんが作成した資料が一番わかりやすいんだよ。研究にもかなり入り込んでたみたいで、すごく詳しいし。」

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