年上同期の独占愛~ずっと側に
「何かすみません。山元さんも迷惑ですよね、こんな事させてしまってお恥ずかしいです。」

「いえいえ。あんなにオロオロしたレアな橋本さんが見れて貴重な体験でした。っていうか、野崎さん大丈夫ですか?気持ち悪いですか?」

山元さんは橋本さんから何も聞いてないのだろうか。最も橋本さんも助けてはくれたが、全部聞こえてなければ、事情はよく分かっていないのは当然だ。

「いいえ、大丈夫です。橋本さんは何か言ってましたか?」

「いえ、何も。ただ、お昼にし社食で野崎さんと一緒になったから、途中までは一緒の戻ってきたんだけど、もしかしたら気分が悪いのかもって。」

そうか、具合が悪いことにしてくれたんだ。橋本さんの機転に感謝しないと。後でお礼を言っておこう。

「体調悪いこと原さんたちにも知られたくないかもしれないから、ってとりあえず打ち合わせってことにしてありますけど、つらければ、原さんに言って早退させてもらったらどうですか?」

「もうスッキリしたので、大丈夫です。ご心配いただいてありがとうございます。お化粧ポーチも助かりました。何から何まですみません。」

「無理しないでくださいね。」

席の戻ると、原さんの姿が見えなかった。向かいの席の吉原さんに、戻りました声をかけると、お疲れとチラっと視線を送ってきた。すると、原さんもちょうど戻ってきて「お疲れ様」と声をかけてくれた。橋本さんが上手くいっておいてくれたおかげで、何も咎められることがなかった。

定時過ぎ、原さんに資料チェックをしてもらい、緒方マネージャーのOKがでたら退社しようかと思っていたころ、橋本さんが席にやってきた。

「今日、何時ころ上がれそう?」

「今マネージャー待ちなので、ちょっと読めないですね。何かありますか?」

「山元さんと飲みに行こうって話してて、一緒にどう?」

「時間次第になっちゃうと思います。でもお邪魔じゃないですか?」

「全然。山元さんも楽しみにしてるから。じゃあ、先行ってるから、終わったら連絡ちょうだい。」

「わかりました。」

お昼休みにあんなことがあったから、気にしてくれているのだろう。しかし、緒方さんが打ち合わせから何時に戻ってくるかわからないので、今日は無理かもしれない。

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