年上同期の独占愛~ずっと側に
案の定、緒方さんとの資料合わせが終わったのが21時近くになってしまったため、橋本さんへは今日はこのまま失礼する、とメールを送りそのまま帰宅した。そもそも二人でデートしていたほうが楽しいだろうに。気を遣わせてしまった。

帰宅途中の電車の中で、今日あった出来事を弘美にメールする。家に着くとすぐに、弘美から電話があった。

「萌々香さん、大丈夫ですか?大変でしたね。」

「うん、びっくりしたよ。亮の悪口散々聞かされたと思ったら、亮と付き合ってた私はバカだなんだって言い始めて・・・最後は結局林君の話だもんね・・。」

「立花、ですよね?立花彩。。私同期です。あんまり目立つタイプじゃないんですけどね。」

弘美と同期・・・私の一コ下か・・。見た目はもっと若く見えたし、あんなにわき目も降らず行動してくるところに幼さを感じたから、一つしか離れてないとは意外だ。

「亮ってさ、立花さんの言うとおり、私と付き合ってるころから派遣さんに手を出したり、立花さんのこと口説いてたりしてたの?」

「さすがにないと思いますよ。堀村にも聞いてみますけど、別れた後、最近の話だと思います。今カノ、根岸さん、でしたっけ?社外の人だし、気が抜けてるんじゃないですか?立花は・・・まあ、口説くというより、ちょっと誘ってみたって感じじゃないですかね。蝦川さんのタイプじゃないと思うんですよね、立花って。立花も蝦川さんも話しやすいから、二人、気が合うんじゃないですか?そのノリだと思いますよ」

「私のこと、バカで、頭が弱くて、ってこき下ろすことによって、立花さんにプライドは保たれたのかしら。一体何しに来たのか考えれば考えるほど謎だわ。」

「林さんと別れてほしいんじゃないですか?」

「別れるも何も、付き合ってないし。」

「そうかもしれませんが、林さんは萌々香さんが好きで立花と別れたんですよね?」

「私が林君に、『立花さんのこと大事にしてあげて』とか言うの?おかしくない?」

「・・・萌々香さん、林さんのことどう思ってるんですか?結構デートしてるんですよね?」

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