裏切り
どうせ、
ガーデニングオタクの千亜季なんか
男子と付き合う事はない
と、思っていた。
だから、
一番狙いの大典君を
少しずつ攻めていこうと
簡単に考えていた・・
なのに・・・・
いつの間にか
千亜季と大典君は
付き合い始めていた。
知らなかった私は
合コンの日、
朝まで過ごした彼から
その事を知らされた。
「ねぇ、また合コン企画してよ。」
「う~ん、いいけど
大典君も参加?」
「あれ?
知らなかったの、
大典、あの有名な奥菜さんと
付き合ってるよ。」
「えっ?」
「大典が、しつこく、しつこく
粘りに粘って、やっと
奥菜さん、おりたらしいよ。
まぁ、半ば無理やりみたいだけどね。
だからなのか
大典は、今お花畑状態だよ。
奥菜さん、一色。」
「へぇっ、そっ、そうなんだ。
だいっ、大典君、良かったね。」
電話をいつ切ったかも
わからないまま
自分の部屋に戻っていた。
ふ~ん、あのオタクの千亜季が···ね。
そう思いながら
頬には、涙が流れていた。