裏切り
夕飯を取り
お風呂を済ませて
ソファーに座ってきた梓に·······
「話をしても良いか?」
「あ~、そうだったわね。
だけど、明日も仕事だから、
早目に終わらせて。」
と、勝手な事を言う梓に
呆れながら
俺は、リビングのテーブルの上に
探偵からの報告書を並べた
写真と共に····
それを手に取り
「なっ、なに?なんなの?
調べさせたの?」
「そうなるかな。
お前、そいつに真剣なんだろ?
なら、一緒にいる意味ないよな。」
と、言うが、
なにも語らない····梓
だんまりか·····
「梓、これ書いてくれ。
後の細かい事は、
わからないから
弁護士に相談する。
決まったら弁護士から
お前に連絡してもらう。」
と、離婚届を置いた。
俺の所は書き終わっている。
証人欄は、優が書いてくれた。
まだ、黙っている梓に
「一週間以内に書いて
連絡くれ。
ラインでもメールでも良いから。
連絡ないときは、西一也に
連絡する。」
と、言うと
キッとした顔で俺を睨み
「かずちゃんは、関係ないじゃん。」
「関係なくわ··ないな。
梓が俺と結婚しているの
わかっていて
そんな関係になっているの
だから。」
「しっ、しらないの、かずちゃんは。
私が結婚してるの。
だから······」
「そんなの俺には関係ない。
じゃな。」
と、言ってまとめていた
荷物を持ち、俺はマンションを
後にした。
「ちょっ、ちょっと、翼君
どこに行くの?」
「優のとこだ。
他の荷物は、また、取りにくる。
きちんと決まるまで
あいつをここにはいれるな。
荷物を取りに来たときとかに
鉢合わせは、勘弁だからな。
なるべく早く弁護士と決める。」
と、言うと玄関から
外にでた。
優のとこに行くのは嘘だ。
ああ、言わないと
梓がでていく
行くとしたら、あいつのとこだろう。
目の前で行かせるのには、
抵抗があった。
今更······だけど。
俺は、駅前のホテルに
しばらく身を置く事にしていた。