裏切り

梓・・


“ バターン ”

玄関の扉がしまった。

翼·······君······


翼君を好きになって
アタックしてアタックして
ストーカー並みに付きまとって、
やっと、やっと付き合えた。

翼君と結婚、できて
本当に嬉しかった。

だから、苦手な家事も頑張った。

翼君は、喜怒哀楽を
表にあまり出さない人だけど
味のない料理でも
毎回綺麗に完食してくれて
文句一つ、言われたことない
大事にされてる、大切にされてるのは
わかっていた。
私も幸せだった。

そんなとき、
看護学校時代の友人から
「梓、真面目にやってるじゃん。
たまには、遊びに行かない?」
と、言われて
えっと、思うが
翼君に言うと
「いいんじゃないか?
俺も優のとこに顔をだしてくる。」
と、言われて友人と
久しぶりにあった。

それがすごく楽しくて
何度か出かけた時
合コンが開かれて
そこに、一也君がいた。

一也君は、研修医で
私が勤務している病院から
少し先にある病院に
勤務していた。

優しくて、面白くて
沢山笑う、かず君に
ひかれて行き
その日······そのままホテルへ

翼君には、夜勤と伝えていた。

若い、かず君は、
何度も、何度も私を求めてきて
私達は、沢山愛しあった。

年上の翼君は、優しく抱くが
かず君は、荒々しくて
野性的で気持ち良かった。

それからは、一也君と
5日に一回、3日に一回と
段々と逢瀬の回数の
頻度が増えて行った。

翼君に悪いとか
そんな気持ちは·····
なぜか······なかった。

少しでも一也君と
一緒に居たくて
翼君と一緒の病院を辞めて
一也君のいる病院に移る事にした。
翼君は、反対するし
看護師長には、ぶつぶつ言われたが
うるさい、と思い
勝手に辞めて移動した。

一也君にはまりにはまっていた時
翼君から早く帰るように
言われた。

なんだろう、またお小言か
と、だるいなと思ったが
帰る事にした。

なんて、言えばよいのか·······

離婚したいわけ···では···なかった

だけど・・・

一也君・かず君と一緒に
いたい気持ちが強かった·····だけ····

「あっ、かず君?梓。」
「梓?どうした?
今日は、会えないって。」
「うん、ごめんね。
だけど、私に会えなくて寂しい?」
「くすっ、寂しいよ
      好きだよ。」
「かず···くん···っ、私も大好き。
     会いたい」
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