裏切り
それから三日後に
哲也さんから連絡があり
夫婦の共有財産の金額を
知らされた。
1.二人で暮らしていたマンションは
佳山氏が引き取る事。
(売却しようが、一切関知しない)
2.共有財産については、
ひと月以内に折半金額を
両者が調整する事。
各々の口座
定期にしているものを
全て哲也さんが計算していた。
共有財産等は、ひと月以内に
マンションは、処分方法を
弁護士の奥菜に連絡すること
と、書面を渡された。
それから、準備してきた
離婚届を提出させられた。
証人欄は、辻に頼んだ。
おれの近況を知っているため
辻は、黙って記入してくれた。
理由も簡単に話したら
若干、驚いたものの
それよりも悲しい顔をしていた。
離婚届は、哲也さんが
明日、提出する。
「離婚届を提出したら
書類に記載通り
千亜季には、二度と近づかないでくれ
あいつは、かなり傷ついている
もう、お前らの事で
あいつに辛い思いをさせたくない。」
と、哲也さんは言った。
だが、俺は、
一目でも良いから
千亜季に会いたかった。