裏切り
13章・・別離・・

千亜季side


哲也叔父さんから連絡がきた。

離婚届が受理された、と。
共有財産もきちんとした。

口座や保険の名義もかえ
保険の受け取りは母にした。

父のマンションは、
哲也叔父さんの知り合いが
買ってくれる事になり
大典は、部屋のクリーニングや
売却の書類等の費用が
かかったようだ。
売却金は、私の口座に
哲也叔父さんから
入る事になっていた。

大典には、共有財産しか
残らないが、
叔父さんは、自業自得だ。
と、言った。

たった五年の結婚生活・・?
五年も一緒に過ごした・・?

どちらなんだろう。

大学時代から、付き合って
大典の事は、わかっている
つもりでいた。

愛されている自身もあったし
私が父の部屋を
大事にしていることも
理解してくれている
と、思っていた

だが·····それは·····
私の勝手な考えでしかなかった
と、思い知らされた。

夏海に一度も
友達だと思ったことない
と、言われるまで
私は、夏海を大切な友人だと
思っていた。

まして、大典を引き合わせて
くれたのも夏海だった。

だから、結婚式にも
どうしても参加してほしくて
お願いした。

それなのに·····
私が夏海を友人として
大切にしているのを知っていて
抱く····なんて······

それも······

大好きな、父が暮らしていた部屋で。

なん····にも····

本当に、何にもわかって
くれていなかったんだ。

私を好きだ、愛している
と、言ってたのも
間違い?うそ?騙した?
最初から夏海と一緒に
なりたかった?

私は····どこで···間違えたのだろう····

大典は····どこで····自分の相手が
私ではないと···気づいたのだろう···

そんな事を
何度も、何度も考えながら
ローズに連絡をした。


*『 』は、英語(イギリスは英語かな)


イギリスでお世話になった
お礼を言ってから
佳山から奥菜に戻る事になった
と、伝えると

日本通のローズでも
わからなかったみたいで
詳しく····と、言われたので
ありのままを話すと
ローズは、かんかんに怒り
ルカが、近くで
落ち着きなさいと
宥めているのが聞こえた。

私が、ローズとルカに
『ごめんなさい、心配かけて』
と、伝えると
『千亜季は、なにも悪くない。
感情を押さえられずにごめんね』
『ううん、嬉しかった。
自分の事のように怒ってくれて』
『当たり前じゃない。
あなたは、私とルカの大切な娘よ。
とても愛してる。』
『私もローズとルカが大好き。』
と、伝えて
離婚届は、受理されたから
奥菜になった事。

父の部屋を手放した事。

新しく部屋を借りた事を
話してから電話を切った。

イギリスとの時差が
8時間あるのに、
私の話を聞いてくれて····
励ましてくれて·····
本当に大好きな二人だ。
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