裏切り
空港に到着して
まっすぐに帰宅した
······ だ が ·····
私達夫婦の住まいは、
なにか・・・・・
知らない空気が漂っていた。
錯覚?・・・
勘違い?・・・・
頭を振りながら窓を開け
この変なモヤモヤした感じを
払拭させるため
掃除、洗濯をし
近くのスーパーに
買い出し行き、
夕飯の準備をすませた。
私は、
お気に入りのソファーに
少し横になりたかったが
どうしても
そのまま、横になれず
買い置きしていた大型の
バスタオルを下に敷き
横になる・・・・
自分の行動を鼻で笑いながら
だが・・・・
時差で身体がきついはずなのに
どうも居心地が良くなくて
身体が休まらない
何が?、どう?、
と、はっきり言えないのに・・・・
夫である大典が
何かを触り
手を加えたのかも知れないが・・・・
私が知る大典は
そんな事が出来る人ではない。
掃除、洗濯も苦手な人だ。
やらないわけではない
彼も1人暮らしをしていたから。
でも、
住めたら良い
着れたら良い
料理も食べれたら良い
そんな感じの人だ。
実は、このマンションは
亡き父が所有していたものだ。
父も母もガーデンプランナーだったが
母は私を妊娠したときに
仕事を辞めて家へと入った。
プランナーとして優秀だった
母の事を思い
父は、自宅を緑の多い場所に
移した。
そこなら、母が好きなように
ガーデニングできると。
都心から離れているため
父は、仕事が立て込むと
このマンションに
泊まり込んでいたらしい。
母は、私の手が離れると
自分の家をガーデニングしていた。
暇さえあるとあちこちを触り
父が、帰宅すると
二人で良く庭を見ていた。
父が亡くなってから
母は、一人で暮らしながら
ご近所の方にガーデニングを
見せたり、簡単な方法を
教えたりしている。
このマンションは、
30階建てで
偶然だが
グローバルハウスが
建てたものだった。
20階から上は分譲
父の部屋は25階で3LDKだ。
私の会社にも
大典の勤務する市役所にも
近かったため、
私達夫婦は、ここに住む事にした。
母も、そうする事を
とても喜んでくれた。
20階から下は、
賃貸になっている。
夕方になりそろそろ、
大典が帰ってくると思い
待っているが・・・
7時になっても
8時になっても
大典は、帰宅しない
やはり、帰国したことを
連絡しておけば良かったかな
と、思い始めたとき・・・・に
玄関の鍵が開く音が・・・・
リビングから玄関に向けて
行こうとすると・・・・・