裏切り
大典side
千亜季が、土曜日に荷物を
引き取りにくるから
不在にしておくように
哲也さんに言われた。
そっと影から千亜季を見る。
相変わらず綺麗で
真っ直ぐ前を見て歩いている
千亜季······
時々、寂しそうな顔をしていた
全て、俺のせいだ····
千亜季の仕事部屋の机や椅子
本棚が運び出されていく。
俺は····なんて····ことを·····
····千亜季と過ごした····
幸せな····時は···もう····こない·····
涙で、千亜季が見えなくなる