裏切り
梓side
弁護士の奥菜さんから
離婚届が受理された
と連絡がきた。
夫婦の共有財産の方も
終わった。
保険の名義や口座の名義も変えた。
病院にも木村に戻った事を
報告した。
かず君は、驚いていたが
話す気にはならなかった。
あんなに好きだったのに。
土曜日は、勤務だった。
翼君が翼君の荷物を持ち出す
事になっていた。
終わったら鍵を奥菜さんが
預かって返してくれる事に
なっていた。
「翼さんの引っ越しは
終わりましたので
鍵をお持ちします。」
と、連絡があったので
カフェで、待ち合わせをした。
翼君が持ち出した物以外は
必要ないので
全て廃棄して欲しいとの事
廃棄費用は、私が出すことに。
家に帰ると
家具家電は、触られていない
翼君の衣類と
翼君の書物と翼君愛用の物以外は
全て廃棄して欲しいと言われた。
ガラ~ンとしたクローゼットや
本棚········
翼君と離れて
初めて涙が溢れた。
お父さんとお母さんに
電話をした。
泣いて話せない私に
慌てる両親に
つまり··ながら
やっと····話せた。
両親は、私の話しに
驚きながら
翼君に申し訳ないと
言っていた。
私は、この部屋から
出て、小さい部屋に
変える事を両親に伝え
かず君に全てを話した。
かず君は、自分のせいで
離婚になった事を謝ってくれたが
私が既婚者であることを
一度も話していないのだから
かず君は、なにも悪くないと
伝えて、きちんとお別れをした。
かず君は、いちからやり直そう
と、言ってくれたが。
私は、それを断った。