裏切り
大典side①
市役所の総合受付から
電話が回ってきた。
「はい。お代わりしました、佳山です。」
「·····大典?」
「····えっ、なつ、安部さん?」
「あ~、安部さん·····ね。
·····話があるの。会いたいの?」
「申し訳ありません。
仕事が立て込んでいまして
お時間を作ることが
できないのですが。」
「大典、少しでいいの。
大事な話しなの。
駅前のカフェで待ってるから。」
「申し訳ありません。
行けないと思います。
それでは、失礼致します。」
と、言って電話を切った。
今さら·····もう、夏海に
振り回されたくない
今までの夏海と違ったように
感じたが·····
いやいや、もう、関わらない。
俺は、そんな風に思っていた。