裏切り
千亜季side②
どう····どうしてっ········
なぜ·····ここに····つばさ···さん·····
彼が出てきた建物は
·······産婦····人科········
私より小さな女性を
大事そうに抱き抱えて
歩いていた。
急用って·····これっ········
私より大切な····人······
そんな人がいるのに
どうして······私に········
あんなこと·····いったの·········
もぅ·····いやだっ·········
私は·····わたしは······
誰からも·····あい····される·····ことは·····
········ないん····だ······
心が······壊れて·····しま····う······
どこをどう帰ったのか
わからないが
マンションに戻っていた。
崩れるようにソファーに
座り込む
涙は止めどなく流れていた。
誰とも、会いたくないし
話したくもないから
携帯の電源もオフにした。
どのくらいの時間か
過ぎたのか···わからない·····が······
来客を知らせるブザーが····