裏切り

千亜季side


哲也叔父さんからの
食事の誘いで
いま、叔父さんの行きつけの
お店についた。

あれから正直
食欲は、あまりなく
叔父さんから定期的の電話で
叱られていた。
その為の呼び出しだと
思った。

叔父さんは、私をみるなり
眉間にシワを寄せた。
「千亜季、俺の話しきいていたか?」
「······う~ん、まぁね。」
「今晩は、食べれるものを食べろ。
それと土日は、
ちゃんと休んでいたんだろうな」
「······・・・・」
「はぁっ、お前な!!」
「だって······忙しいん··ダモン····」
そんな言い訳をきいてくれる筈もなく
大きなため息をつかれた。

だって、食べたくないし
一人でいたくないんだもん

色んな物を少しずつ、つつきながら、
アルコールなら良いが、
ウーロン茶で流し込む。
食べずに飲むな、と叔父さんが····

もう、30才過ぎたのに
叔父さんは、いつまでも
小さな子供の様に扱う
女将さんもそんな私達を見て
笑っていた。

それでも、こうやって
私の事を心配して
食事に誘ってくれる叔父が
大好きで感謝している。

食べ終わる頃
叔父さんに
「千亜季、少し話しても良いか?」
と、言われて
あの日の翼さんについて
話してくれた。

やはり、彼の子供ではなかった
彼は、彼女の友人に呼ばれて
その友人の方が困らない用に
救急車にのりこみ
彼女を送っただけ。

その上
彼は、彼女の恋人?に
全てを話して
彼女のお腹の子を
自分の籍に入らないように
手続きを叔父に依頼したと。

「それは、紛れもなく
お前、千亜季の為だ。」
と、叔父さんに言われた。

私に会って話をさせて欲しいと
叔父さんに何度も頼んでいるらしい·····

「なぁ、千亜季
お前は、翼さんを許せないか?
もう、彼が嫌いか?」
そう言われても返事ができない

嫌いなわけない
嫌いになれたら、
どんなに楽か······
だけど········
「お前の食欲がないのも
無理やり仕事をいれるのも
翼さんが絡んでいるんだろ?
一度、会って話してみてはどうだ?
それでも、やっぱり
会いたくないか?
それならそれを
はっきり翼さんに言ってやれ
そうでないと
あまりにも、翼さんが可哀想だ。」
哲也叔父さんの
少し強めな発言に

私は会うことを了承した。

ここで考えさせてと
言っても、私の性格を知っている
叔父が許してくれるはずがない。

但し、叔父さんにも
一緒にいて欲しいと頼んだ。

呆れた顔をしたが
それでも、彼は喜ぶと
叔父さんは言っていた。

そこで決めよう。
翼さんとのこの先を······
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