ホワイトデーは甘くして?
蒼太が仕事から帰って来た。皐月はソファから立ち上がり、「おかえりなさい!」と玄関に向かう。

「……こんな時間になるまで起きてたの?別に待ってなくてもいいんだけど」

呆れたように蒼太は言う。アニメではヒロインを抱きしめ、「待っていてくれてありがとう。愛してるよ」と甘い台詞を囁いていた。

蒼太は現実ではツンデレと呼ばれる人だ。たまに甘えるくらいでほとんどツンツンしている。皐月はそれでも蒼太が好きで、甘えたりするのだ。

「蒼太くん、ちょっと寂しかった」

そう言って皐月が抱きつくと、蒼太は「ば、馬鹿!急に抱きつくな!」と言う。でもその顔や耳が赤いことを皐月は見逃さない。

「フフッ。蒼太くん可愛い〜」

「はあ!?可愛くねえよ!」

蒼太がお風呂に向かい、皐月はホットミルクの準備をする。その時、壁にかけられたカレンダーを見て胸を弾ませた。

来週は、ホワイトデーがある。バレンタインに皐月はチョコを渡したため、蒼太が何かお返しをくれるはずだ。
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