ホワイトデーは甘くして?
「べ、別にほしいって言ってねぇし。まあ……ありがとう」

そう言いながらも、蒼太は付き合い始めてから毎年受け取ってくれる。そしてホワイトデーには珍しく甘えてくれたり、甘い台詞を言ってくれたりするのだ。

「今年はどんなホワイトデーになるのかな〜」

出来上がったホットミルクにハチミツを入れながら皐月は笑った。



そして、ホワイトデーの日になった。今日は蒼太も皐月も仕事がない。そのため、どこかに出かけようかと昨日話していた。

「デート、どんな服着ようかな……」

ぼんやりした頭で考える。その刹那、お腹にズシンと重い痛みが走った。

「痛ッ!!」

まるで内臓の内側から殴られるようなこの痛みに、皐月の顔は真っ青になる。だるい体を起こし、頑張ってトイレに向かうと皐月は絶望に満たされた。

「嘘……女の子の日……」

月に一度ある女性ならではの現象が、皐月は憂鬱で仕方なかった。なぜなら、お腹の痛みが激しく一日目と二日目はほとんど動けないこともあるからだ。
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