ホワイトデーは甘くして?
「外でのデートはまた今度な?」

「うん……」

皐月は優しく頭を撫でられる。こんなに甘い日は久しぶりだ。また明日になればツンツンな日々になってしまう。そう思うと少し寂しいけれど、ツンツンしてくれる蒼太の方が落ち着く自分がいた。

「本当は普段からもっと甘えたんだけどな」

頭を撫でられウトウトしている皐月の耳に、そんな蒼太の声が届く。

「……甘えて、いいよ……」

皐月がそう呟くと、おでこに柔らかな感触がする。

「おやすみ……」

優しい蒼太の声で、皐月は再び夢の世界へと落ちていった。

それから、ホワイトデーが終わってからも蒼太は甘えてくれるようになったとか、ならなかったとか。
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