渇愛の姫
少し寄り道をしていたら結局いつも通りの登校時間。
「結愛ちゃんおはよー」
朝から挨拶をしてくるのはまぁ知らない男。
同級生か、違う学年かすらもわからない。
「おはよう」
何回も執拗いくらいの挨拶を適当に返してようやく着いた下駄箱。
見てみると案の定手紙の山。
ラブレター…なんて甘いものじゃない。
ノートの切れ端に汚い字での悪口とか、放課後の呼び出しとか。
「…あ。これはラブレターだ。」
よくこのゴミ箱みたいな下駄箱にラブレター突っ込めたな。