渇愛の姫


自分だけ…?それって、もしかして…



「梓ちゃんのこと。」


ひどく、胸を締め付けられた。そんな気がした。



「亡くなった彼女を置いていっていいものか、自分だけ進んでもいいのかって。」


最愛の人は時間が止まって、自分は進んでいく…

その辛さは私にもわかる。

生きていくことへの、後ろめたさも何もかも。




< 108 / 222 >

この作品をシェア

pagetop