渇愛の姫
「………」
「………」
無言のまま時間は過ぎていく。
…多分、結雅は怒ってる。
「…蒼空も、お前も。ズボンの裾が濡れてる。」
ベッドに座らされた私とは目を合わせず、立ち上がり結雅は呟いた。
やっぱり結雅は鋭い。
「何、しようとしてた…?」
それは胸が締め付けられるような声で、結雅は言った。
1度、大切な人を失った人。
私だってわかってる。はずだったのに、それを裏切るような事をしてしまった。