渇愛の姫


「ごめん…」

俯いたままの結雅の背中が、蒼空たちに聞いたかつての“鬼神”を思わせない。


「ごめんねっ…」


それがあまりにも寂しそうに見えて、私は咄嗟にその背中に抱きついた。


その瞬間結雅の肩は跳ねたけど、その次には腰に回した私の手を軽く握った。


…今日は冷たい手だ。



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