渇愛の姫


「こんにちは。」

突然話しかけると、当然驚かれた。


「こんにちは。…君もお墓参りかい?」

優しそうな印象のお父さん。

そして隣にいるお母さんは目元が赤くて、泣いたのがわかる。



「はい。…梓さんの。」

そう言うと、2人は眉を寄せた。



「梓には、君のような友達は…」


梓さんのお父さんが何か言っていたけれど、説明できるものではない。



「…あなた、せっかく来てくれたんですよ?本来なら…っ」





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