渇愛の姫
「結雅くん…梓に、会ってくれるかい?」
その少し微笑んだ顔は、最初に来た時梓さんへ向けていた笑顔で。
「…はい。」
私と結雅は顔を見合わせ、少し笑った。
「ねぇ貴女、結雅くんの彼女なのかしら?」
梓さんへ手を合わせる結雅を見ていると、梓さんのお母さんが話しかけてきた。
「いえ、ただの大切なお友達です。」
そう言っている時の私はどんな顔をしていたかな。
上手く笑えていたかな?
「あらそう?なんだかすごく、前の梓と結雅くんを見ているようで…おばさん、応援したくなっちゃったの。」
そう言って梓さんのお母さんは笑った。
応援…か。