渇愛の姫
「きっとアイツらだって、君の過去を知ったら離れていく。怖いでしょう?」
ゆっくりと、冷たい手が首を絞めていく。
「君を必要としている人なんてこの世に誰もいないんだよ。…実の親に売られた君なんかを…ね。」
…幸せだった。
けど、7回目の誕生日を恨んだ。
あの日さえ…いや、私さえ居なければパパもママも…今も幸せに笑い合えていたのに。
「私が、いなければ…」
この男には涙なんか見せないようにしていた。
…けどもう限界だ。
「…やっと堕ちたね。」
ニヒルに笑う男を最後に、私の意識は途切れた。