渇愛の姫
情愛


痛い、苦しい、助けて。


そんな負の感情が薄れていく。




「また泣いてるの?仕方ないなぁ…君は本当に、僕が居なきゃ何も出来ないんだから。」


頬を伝う涙にすらも気づかなかった。






「今日も愛してあげる。」


そしてまたゆっくりと手に力を込める男を見もせず、私はただ汚れたコンクリートの壁を見つめていた。




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