渇愛の姫


「───ねぇ、死にたい?」


突然投げかけられた言葉と、その意味を理解してわかりやすく反応してしまった。




「あはは!嘘だよ嘘。…君みたいな優秀な玩具を手放すわけないじゃん。」




“死”

それが今の私にとっての光だった。


もしかしたらこの手を強く握りしめて、もう二度と悪夢を見ないようにしてくれるのかと、そう思わせられた。






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