渇愛の姫


「ど…して…」


たった1人で、何十人を相手にして。




「神崎 結雅って言えば、もっとクールであんな格好悪いことしない男だと思ってたんだけどなぁ…」


殴って、殴られて、それでも真っ直ぐこっちに向かってくる。


絶対に私から目を離さないままで。





「もう、やめて…」


何人もの人が結雅の手足を掴み、動きを奪った。




「…君がアイツらを拒絶するなら、辞めてあげてもいいよ?」




いつだってこの男は、残酷な2択を選択させる。




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