渇愛の姫


「君の目に…また光が差したね。」


私の頬に手を添え、親指で目元を触る。


自然の摂理で涙が出てきたのもお構い無しに男は続けた。




「ねぇ、助かるって思った?」


心の内を簡単に読んでくる。

そんな男なのは十分に知っているけれど、今は嫌な予感しかしない。





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