渇愛の姫
長い髪をポニーテールにしたから、首元が少し寒い。
「よくビビらずきたね!…ほんと、その度胸だけは認めるわ」
森山さんは典型的なぶりっ子。
それに顔が追いついてるならまだしも、…うん。
男の前ではやってること最低でもそのぶりっ子だけ貫くのは尊敬に値するかもしれない。
「なんか言えよ!!」
森山さんの後ろにいつもいる金魚のフンAが私の肩を強く押した。
全く踏ん張ってなかったせいで、不幸にも扉が開いていた倉庫に倒れ込んでしまった。