渇愛の姫


歪んだ顔で笑う男の手には、銃と抱き抱えられた結愛がいた。



「………」


男の腕の中で動いてる。

生きてる。大丈夫。




…なんて、そんな冷静に判断は出来なかった。






「結雅!!」


後ろから焦った奴らの声が聞こえる。

それでもお構い無しに、目の前にいる敵を殴り飛ばして走った。









「早かったね。王子サマ?」


正直、銃に勝てるなんて思っちゃいない。


無謀であって、自己満足。






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