渇愛の姫


だけど───



「…っぐ…ぁ゛」



隙を狙って男の鳩尾に一発。

手のガードが緩んだ時に結愛を奪った。






荒い呼吸で、今にも消え入りそうな声で、結愛は何かを話している。






「…ご、め……ん、ね…」


もう二度と俺は、手放さないと決めた。


何度だって助ける。

何度だって、この手を伸ばす。




何度だって────



















「…じゃあ2人仲良く死になよ。」








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