渇愛の姫


咄嗟に結愛を庇い、銃弾が横腹を掠った。


本来なら痛みで動けなさそうなのに、ハッキリと動く手と足。



「な、なんで…今、確かに…」




なんでだろうな。


多分今の俺の原動力は、こいつに対する怒りだけ。






「く、来るな…!!」


腰を抜かした男は、銃を落とした。

もう妙な気は起こさないように階段の下にいた蒼空へそれを蹴飛ばし、一歩一歩間を詰める。










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