渇愛の姫
「愛してるよ、結愛ちゃん。」
その目は私をうつしてなどいなかった。
「…ありがとう。」
「だから、さ…行こ?」
隣にいる人の目線の先にはラブホテル。
まだOKすら出していないのに、いやらしい手つきで私の腰に手を回す。
「今日はそんな気分じゃないの。ごめんなさい」
電話で呼び出された時点でこうなるとわかっていたはずなのに。
“もしかしたら今日は満たされるかも”
なんて淡い期待を抱いて、今まで何度この体を穢したっけ。