渇愛の姫



「…り…がと…」


誕生日、それは私が嫌いで嫌いで仕方のない日だった。

生まれてきた日に、生まれてきた事を憎んだ。




それなのに…






「ありがとうっ、みんな…!」



生まれてきてよかったって、生まれた日に思えた。

この人たちに出会えたおかげで。





「…おめでとう。」



今目の前にいる、この人を、好きになったおかげで───













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