渇愛の姫
例えば仕草とか。
「…ぎゅー?」
「ん。」
私が携帯を触ってる時とか、結雅はよく手をプラプラさせたりとにかく手遊びをし出す。
それは所謂「寂しい」の合図で、でも邪魔したくないからという気持ちの表れ。
…というか私、結雅の取り扱い説明書作れそう。
「苦しくねぇか?」
私とお腹の赤ちゃんを抱きしめ、結雅は優しく聞いた。
「大丈夫だよ。つわりも私酷いほうじゃないし」
けれど予定日をとっくに過ぎて生まれてこないのは少し心配。
初めての子供で…それも、双子と言われているから。