渇愛の姫


例えば仕草とか。


「…ぎゅー?」

「ん。」


私が携帯を触ってる時とか、結雅はよく手をプラプラさせたりとにかく手遊びをし出す。


それは所謂「寂しい」の合図で、でも邪魔したくないからという気持ちの表れ。





…というか私、結雅の取り扱い説明書作れそう。






「苦しくねぇか?」

私とお腹の赤ちゃんを抱きしめ、結雅は優しく聞いた。



「大丈夫だよ。つわりも私酷いほうじゃないし」


けれど予定日をとっくに過ぎて生まれてこないのは少し心配。


初めての子供で…それも、双子と言われているから。





< 208 / 222 >

この作品をシェア

pagetop