渇愛の姫
「家事も全部、するって言ってんのに…」
私を抱きしめたままため息混じりに呟く結雅が愛おしい。
けれど……
「結雅が作ると暗黒料理じゃない。」
器用そうに見えて意外と不器用なのも、結婚してから知れた。
「それは……練習するし。」
私の為に色々できることを考えてくれるところも、知れなかった結雅が見れて嬉しい。
「ありがとう、その気持ちが嬉しいよ。」
予定日通りに生まれるものと思っていた結雅は、予定日を過ぎても生まれなくて救急車を呼びかけた。