渇愛の姫
最愛
「………さ…」
…誰かが、泣いてる?
「…結雅?」
見覚えのあるベッド、天井。
棚の上にある時計は夜中の2時をさしている。
足元に重みを感じて見てみると、ベッドにもたれかかるように眠る結雅が居た。
…その目元には確かに光るものも。
「…起きたのか」
涙を軽く拭い、結雅は私のおでこを触った。
ひんやりした結雅の手が熱を帯びた私の体には気持ちいい。