渇愛の姫


「この馬鹿ならほっといていいよ。」

新の玲緒だけに毒舌なところも相変わらず。



「ごちそうさまでした。」

お腹は空いてたらしい。

というか昨日朝ごはんも食べてなかったから一日断食したってことか。


「結雅はどこにいるの?」

昨日のこと、謝りたいのに結雅がいない。


「結雅は…」

…聞いちゃいけなかったかな。
結雅のことを聞いた瞬間、笑っていた玲緒でさえ顔を顰めた。




「ごめん。今の忘れて」

聞いちゃいけない、触れちゃいけないところだったんだ。




< 45 / 222 >

この作品をシェア

pagetop