渇愛の姫
『まず玲緒。玲緒って第一印象で女好きだな〜ってわかった。けどそんな事無かった。…あ、女好きなのは女好きだったんだけど、実は一途なところとか。そういう所私すごく好きだったよ。守ってくれてありがとう。』
それはまるで別れの挨拶のような。
嫌な予感は過ったけど、俺達は黙っていた。
『次に新。新は逆に女嫌いだよね。けど私に心を許してくれてありがとう。ご飯、いつも美味しかったな。結局料理の作り方は危ないからって教えてくれなかったよね。結構心配性なところもあって。…こんな私を好きになってくれてありがとう。』
見透かされていた新の気持ち。
やっぱり勝てない、というように新は目元を光らせながら口元は笑っていた。