渇愛の姫


『たった今入ったニュースです!××市の××ビルから女性が飛び降りたという──』


電気屋の何台もあるテレビからその情報は入ってきた。



『あの制服××高じゃね?!』

『やば!女子高生じゃん!』


そんなはずない、そう思えば思うほどに行き場のない感情が込み上げてくる。




テレビの光に照らされた結雅の頬には涙が伝っていた。



──結雅は多分こうなることがわかっていたのかも知れない。








「それから結雅は心を閉ざした。…元々そこまで話す方じゃなかったけど、梓ちゃんがいた頃は別人みたいだった。」





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