渇愛の姫


「ほんとに賑わってる…」

人混みはあんまり好きじゃないけど、1人を紛らわせられるこの空間は今は助かる。



…とはいっても少し人酔いしたかも。


「ふぅ…」


自販機でお茶を買って、人気のない所へ来た。


やっぱり静かになって何も考えなくてよくなるとみんなの事を思い出す。



学校に行っても話しかけちゃダメなんだろうな、とか

もうあんなふうに接してはもらえないんだろうな、とか。




それと…


「…消さなきゃ、だよね。」


昨日帰る時に蒼空が私の携帯に入れた結雅の電話番号。


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