チョコレートみたいな恋

「柚葉ちゃん、有難う。大切に食べるからね！」

必死に俯き加減で謝る柚葉ちゃんが可愛い過ぎて、公衆の面前だと言うのに抱きしめてしまった。柚葉ちゃんに片思いしている俺だけれど、初めて作ったチョコレートを貰えるなんて自惚れて良いのかな？希望を持って良いのかな？

「……優真、大好きだよ」

柚葉ちゃんは抱き締められているのにも関わらず、俺の耳元で囁いた。

人通りがそれなりにある歩道では、邪魔だと言わんばかりに「ゴホン」と咳払いをされたので、恥ずかしくなり、俺達は駅近くの公園に寄る事にした。

「……少し前にね、女の子達に呼び出されたの」

少しづつ薄暗くなり始めた公園のブランコに乗り、話をする。

「え？どうして？」

柚葉ちゃんは可愛いので目立つタイプだが、祥平とばかり一緒にいた為、女子の友達は数少なかったらしい。それなのに呼び出されるなんて、嫌な予感しかしない。

「……優真の彼女なの？って聞かれたら、そうだよ。って答えちゃった。しかも、優真の彼女は私だからチョコレートもあげないでって言っちゃったの。だから、優真に女の子からチョコレートが届かなくてごめんね」

謝ってばかりの柚葉ちゃんだったが、目にはうっすらと涙が溜まっているのが見えた。よっぽど嫌な思いをしたのかもしれない。