チョコレートみたいな恋
学校を出て、祥平君よりも沢山のチョコレートが入った紙袋を持ち、薄暗い歩道を歩く。

「紗夜は沢山貰ったね。女の子からもモテモテじゃん」

「……そうだね、私は性格が男っぽいからかな。柚葉ちゃんみたいに可愛くもないし…」

こんな事を言いたい訳じゃないのにな、ついつい卑屈になってしまう。私はよくサバサバしている性格だと言われて、男だったら惚れちゃう!って言われた時もある。顔立ちだって、愛嬌のない顔だと思う。柚葉ちゃんみたいに可愛かったらなぁ……。

「何で柚葉が出てくるの?紗夜は美人系だから、柚葉とは違って当たり前だよ。俺は紗夜の性格も顔も全て好きだよ」

私の顔を見ながら、サラリと言う祥平。薄暗いから顔が赤い事に気付かれなくて良かった。

「おっかしいな、紗夜からチョコレートが届かないんだけど…」

白々しく聞いて来た祥平に、渋々リュックから取り出したチョコレートを渡す。

「はい、美味しいだけが取り柄の可愛くないチョコです」

帰り際まで渡せなかったのは周りの子が女子力高すぎて、恥ずかしかったから。

「有難う、ずっと待ってたんだ。もう、貰えないのかな…って思ってた」

祥平がニコッと笑う。

「帰りは家まで送るから、一緒に食べよ!」と言われて、駅周辺の公園に立ち寄った。
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